今回は昨日紹介した心理学の本から、追加で使えるテクニックを紹介します。
今回は3つの交渉術を紹介します。
~前提として~
いまから説明するテクニックは普段無意識にしている場合があります。
ここで大事な事は、そのテクニックを意図して操るという点です。
意識的に自らの言動をコントールし、相手への印象を変えることが目的です。
あくまで自分の言動を変えるための紹介です。
相手を操る方法ではないという事を理解してから下の文章を読んでください。
この二つは同じ一貫性の原理を使用しています。
その為複合して使われることが多い為、一緒に説明します。
~用語説明~
・一貫性の原理
一貫した行動をとらないと気が済まない人間心理
・フット イン ザ ドア
最初は小さなお願いをし、徐々に大きな要求を承諾させていくテクニック
重要なのは1つずつ承諾を得て進めていく為、依頼内容は複数になる。
・ローボールテクニック
最初に受け取りやすい依頼をし、承諾した時に不利な条件を付けくわえるテクニック
重要なのは1つの依頼をするにあたって、
有利側条件のみ説明し、あとで不利条件を付けくわえること。
~フット・イン・ザ・ドア と ローボールテクニックの違い~
この二つは共に一貫性の定理を利用した交渉術の名称です。
上記に記載した内容だと、「同じことでは?」と思いますが、
使い方や、使うべきタイミングが大きく異なります。
~使い方~
・フット・イン・ザ・ドア
⑴街角アンケートを答えてもらう場合
①署名だけしてもえないかと交渉する
②署名中に年齢と職業を聞く
③署名後に3問だけ質問させていただけないかと聞いてみる
⑵営業回りの場合
①30秒だけ時間をくださいと交渉する
②自己紹介だけする
③30秒経過した事を告げ、その後商品の紹介をしてもよいか尋ねる
④-①断られた場合
次回も同じよう①で時間を頂き、自己紹介ではなく商品紹介にする
④-②承諾された場合
存分に商品紹介をしましょう。
・ローボールテクニック
⑴短納期の仕事を依頼する場合
①仕事内容だけ説明する
②その後納期を伝える
(2)入会させる場合
①この会員証は無料で今すぐ作ることを説明する
②承諾書を渡し、住所、氏名、電話番号を書かせる。
~説明~
優秀な営業マンや、マルチ商法はこの手を多用します。
よくあるのが、旧知の友人と、久しぶりに食事に行くことになり、
次も遊ぼうと連絡がきます。
その後、友人の先輩が一緒に期待と言っているけど、いい?と聞かれます。
友人の先輩と一緒にいまからパーティに行くんだけどいい?と聞かれる。
これがよくあるマルチ商法の手段ですね。
このテクニックはこのように使われた場合、非常に断り辛くなります。
これがフットインザドアです。
他にもこのような方法があります。
自分の尊敬している人に君の話をしたらぜひ会いたいと言っていた。
これは物凄い事で、ぜひ会ってもらいたいんだけどいい?
君は素晴らしい才能だ、自分の後釜として育てたいのだが、
その資金として30万が必要だ、君の本気を表すお金だ。
今の人生変えたいなら、30万で自分の後釜候補として勉強しないか?
30万程度だったら、自分が教えているうちにすぐに返済できるよ!
これはフットインザドアにより交渉テーブルにつかせた後、
ローボールテクニックにより30万を払わせるというテクニックです。
~用語説明~
・ドア イン ザ フェイス
最初に過大なお願いをしてから、本当に頼みたい事を依頼する
相手からするとお互いに妥協し合えた認識になり、承諾されやすい。
~使い方~
⑴1週間で仕事が完了できるように依頼する場合
①明日までにこの仕事を終わらせてほしいと依頼する
②断られた後に、3日なら終わらないか交渉する
③4日以内なら確実に完了できるか確認する
その際に、上位依頼者に交渉する旨を伝えるとなおよい
⑵商品を高く売りつける場合
①定価の値段を少しだけ高く設定する
②値引きをしてきた客に、定価金額で販売する
~説明~
みなさんもよく見たことがあると思います。
テレビの通販や、飛び込み営業はよくこの手法が使われています。
本来であれば10万円の品が、2個で7万円に!!など謳ってますが、
そもそも10万円がおかしいのです。
このテクニックの大事なところは、
最初のフェイクを誇張しすぎないという点です。
例えば3日かかる仕事を1時間で終わらせろ、等といった場合、
こいつ頭おかしいのか?となってしまうので、
話をそもそも聞いてもらえない可能性が出てきます。
また3日かかる仕事を半日で終わらせろといった場合に、
一度断られた後すぐに3日と宣言してしまうと、
もう少し余裕があるのでは?と勘繰られてしまいます。
フェイス・イン・ザ・ドアで重要なのは、
交渉相手が有利な承諾を自分から引き出したという、
気持ちよさを感じてもらう事にあります。
~筆者からひと言~
今回紹介したテクニックは日常でよく使われています。
このテクニックの良い所は、相手に責任が発生する点です。
このように回りくどくお願いしなくて、情に訴えたり、威圧したり、
命令したり、と様々な交渉方法が存在します。
そんな中でなぜこれをオススメするかというと、
相手は承諾を、自ら選択したと受け止めることが多くなるからです。
あくまでこちらは、承諾しやすい環境を整えただけで、
実際に承諾したのは相手だから、責任が発生します。
無理やり命令した場合、強制されたから、と言われてしまえば、
それで他の人に責任転嫁できてしまうからです。
他にも色々なテクニックが存在しますが、それはまた次の機会に。。。