今回は自分が働いている職場について書いていきます。
元々ブラック企業ならぬ、ブラック職場だった自分の職場を8年間かけて、職場風土を変え、ホワイト職場にしたお話をします。
また無能、ポンコツと言われ続けた自分の評価を、ひっくり返した方法を此処に残します。
少々長くなるかもしれませんがお付き合いください。
これは今から8年前、2012年の出来事である。
東日本大震災や、リーマンショックにより就職が危ぶまれた時期でもある。
当時私こと、【こじきりん】は18歳で工業高校を卒業し、従業員数1万人を超えるとある大企業に就職した。
電子科に所属していたとはいえ、工業高校卒業だった為、工場でライン作業か、保全の仕事で頑張っていこうと、意気込み入社を迎えた。
何も知らない自分。
この時は大会社に就職でき、喜びの感情しかなかった。
後で地獄を見るとも知らずに…
登場人物紹介
こじきりん(私)
新入社員、日本人、ちょっとオタク
ジョン(同僚)
新入社員、アメリカとハーフ、オタク、陽キャ、ブレイクダンサー
植木さん
課長、スタイリッシュ、車好き(GTーR)
山中(敵)
係長、直属の上司、悪魔、バイクが好き
原口さん(味方)
4歳年上の先輩、優しい、いい人、彼女持ち、会社のホームページに載ってた人
榊さん(味方)
4歳年上の先輩、優しい、ONE OK ROCKが好き、変態
國貞さん
山中の腰巾着、ご飯おごってくれる、貧乏ゆすりがすごい
邂逅
2012年春。
高卒で就職した自分は、入社式、入社研修、配属式を終わらせ、職場に配属されることになった。入社してから1か月が経過した頃だった。
工場に配属されると思っていたのだったが、連れていかれたのは、セキュリティの厳重な製品開発エリアだった。
案内係の社員に「ここで待ってて」と言われ、部屋で待機することになった。
一緒に連れてこられたのはジョンだった。
見た目が完全にアメリカ人な為、入社式で目立っていたのを自分は覚えていた。
こじきりん(心の声)「(やべぇ…まさか同じ場所に配属されるとは…なんて話そう…英語?英語苦手なんやけど!!!どうしよ、、、え~いなんとかなるか!!)」
こじきりん「Hello, My name is Kirin Koji . You name is?」
ジョン「あ、日本語しかしゃべれんさ~、ジョンっていいます。よろしくな~。」
こじきりん「まじか!こじきりんっていいます、これからよろしくね。」
ジョン「まさかこんな部署に来るなんてなぁ」
こじきりん「そうだよね、なにここ、全然工場じゃないんだけど」
ジョン「俺も工場だと思ってたからびっくりした」
こじきりん「ジョンはどこ出身なの?」
ジョン「沖縄。あぁ国はアメリカと日本のハーフ、でもずっと沖縄だから本当に日本語しかしゃべれない、沖縄の方言ならめっちゃしゃべれるさ~」
こじきりん「丁寧にありがとう、パッと見英語でしゃべらなきゃ!ってなって英語で話しかけちゃってごめんね」
ジョン「いいんさ~、街中でも外人にすっごい話しかけられるから、もう慣れたもんさ~」
こじきりん「それは大変そう(笑)」
そんな会話をしていたら、自分たちの上司が迎えに来てくれました。
植木「こじきりん君とジョン君、で合っているかな?」
こじきりん・ジョン「はい」
植木「じゃあIDカードの申請出している最中だからゲストカードを用意します、まずは守衛に行きましょう、そのあとIDカードでセキュリティ解除が出来るようになったら、執務エリアへ行き、挨拶周りに行きます。良いですか?」
こじきりん・ジョン「はい、よろしくお願いします」
~~執務エリアへあいさつ回りに行く途中~~
植木「ジョン君は日本語上手だね!」
ジョン「自分逆に英語しゃべれないんですよww」
植木「えぇ!!そうなの?www」
ジョン「そうなんですよ~~、沖縄生まれ沖縄育ちです」
植木「そうなんだねぇ~、履歴書見た時から英語の勉強しなくちゃなぁってずっと悩んでいたんだよ」
ジョン「大丈夫です!日本語ペラペラなんで!w」
この間自分にしゃべるタイミングはありませんでした、そしてそれは執務エリアについてからも、継続しました。
植木「ここが執務エリアで、君たちの上司になる山中だ」
山中「Hello , nice to meet you」
ジョン「あ、日本語で大丈夫ですwww」
山中「そうなの!?じゃあ日本語で(笑)ここでチームリーダーをしている山中です、仕事内容が難しくて大変だと思うけど、よろしくな!」
山中「ジョン君は~~~~…」
ジョンはここでも同じくだりをするハメに…
しかし山中との出会いは、他の人と変わらず、普通でした。
顔は怖かったですが、意外と気さくな人なんだな、というのが初対面での印象でした。
自分としてはジョン君は目立っていいなぁと思っていましたが、今思うと毎回同じ反応されて同じリアクションを返すのは、結構なストレスだった事でしょう。
とはいえ掴みは上々。
しかし、自分は工業高校で過ごした3年間でどっぷりオタク生活に漬かってしまった悲しきインキャ、自己紹介の印象で敵うはずもありません。
ジョンの周りには人が集まり、質問攻めにあっていました。
自分は職場の皆さんに興味を持っていただける自己紹介が出来なかった為、山中さんに指示されたマニュアルや手順書を無言で読んでいました。
そんな中話しかけてくれたのが、原口さんと榊さん。
原口さん「はじめまして、こじきりん君だよね?」
榊「はじめまして」
こじきりん「あ、はい、今日からお世話になります、よろしくお願いします!」
原口さん「同期がキャラ濃いと自己紹介厳しいね(笑)」
こじきりん「そうですね…完全に空気を持ってかれちゃいましたね…」
榊「あれはしょうがないよ(笑)」
原口さん「まぁなんにせよ、これからよろしくね、何か分からないことあったら何でも聞いてくれよ」
榊「そうそう!困ったら原口に聞けば大丈夫!!」
原口「お前も対応してやれよ!(笑)」
原口さんと、榊さんという優しい先輩がいる事は自分にとって本当に救いでした。この人たちがいれば、頑張れる!初対面でそう思わせてくれました。
ちなみに原口さんと榊さんは同期だそうで、非常に仲が良かったです。
先行き不透明で、ジョンと比べられ続ける、不安な社会人生活が始まるかと思いきや、優しい先輩方のおかげで、希望が見えてきました。
業務開始
配属先が決まり、2日間の業務内容の説明を受けた後、早速業務をすることに。
業務内容は簡潔に言うと、車両の完成品検査だった。
検査を実施するために、大量の評価機器、安全宣言書や、評価に必要な資料の持ち運びを手伝う事となった。
山中の指示により、原口さんとペアを組み、OJTで仕事を教えていくのが、ここの職場のやり方のようだ。
原口「荷物、これとこれまとめておいたから、試験車まで持ってきて」
原口「あれ忘れないようにね」
原口「場所分かる?一応メモ書いておいたから困ったら見て」
そう、原口さんは細かいところまで気配りのできる有能社員だったのだ。先輩にこんな仕事の出来る、部下の気持ちがわかる人がいるなんて、なんてラッキーなんだ!!そう感じたのを今でも覚えています。
何をしたらよいのか、わからないジョンと私に、これ持ってて、これあそこにあるから持ってきて、車のバッテリー外しておいて等の、自分たちでも出来る指示をしてくれたおかげで、少しだけ仕事した気分になりました。
しかし、新人2人連れて仕事をしているので、もちろん仕事のペースが遅れます。元々100項目取得する必要があったそうなのですが、自分たちの教育もしていたので、70項目しか取得できませんでした。
こじきりん「目標件数とれてないですね…」
原口「まぁいいよ!定時になったらか君達帰らないとね!」
こじきりん「残業ならできます!」
ジョン「残業しなくていいんですか?」
原口「君たちの分の残業時間確保していないからね、ちょっといますぐには残業させられないんだよね」
ここの職場では、残業時間が全体でどれだけと決まっていて、人数に応じて割り振られている、新人は0時間と決まっているんだ、その分仕事が多い人に残業が回される、と原口さんから説明を受けました。
そんな理由で定時30分前には事務所へ戻ることに。
ここからが最悪の時間でした。
ブラック職場
事務所に戻った原口さん、自分、ジョンは業務進捗をチームリーダーの山中に報告する義務があります。
原口「お疲れ様です」
山中「お~お疲れ~、ジョン、こじきりん、どうだった?」
原口「素直ですぐ動いてくれるので、助かりました」
山中「それはよかった、君らは?」
ジョン「めっちゃ難しかったです!大変そうでした!」
山中「そうだぞ~(笑)大変なんだ俺らの仕事は!」
こじきりん「車は余り詳しくないので、ちょっと不安ですね」
山中「そうか、頑張って覚えてくれ!(笑)」
山中「それじゃあ、こじきりん、ジョン、君たちは定時だから業務日報を書いて帰宅してくれ」
こじきりん、ジョン「はい、お疲れさまでした」
山中「業務日報は國貞に書き方を聞いてくれ、原口はそのままちょっと聞きたいことがあるから、そこにいてくれ」
こじきりん、ジョン「はい、わかりました」
自分とジョンは國貞さんに業務日報の書き方を教えてもらう事になりました。
こじきりん「國貞さん、お疲れ様です。山中さんに業務日報の書き方を教えてもらってこいっていわれたんですけど、お時間よろしいでしょうか?」
國貞「お!新人君か!よろしくな!おれは君らの1つ上の國貞だ!業務日報は俺が書いたやつ転送しておいたから、それを参考に書いてくれればええからな!」
こじきりん、ジョン「ありがとうございます、失礼します」
こじきりん「國貞さんも、山中さんも、原口さんもいい人っぽい職場だね」
ジョン「そうだね、いまのところめっちゃよさそうな職場だね」
こじきりん「うげっ!!急いで日報書かないとやばそうだよ、めっちゃ書いてる…」
ジョン「マジ!?うわぁ結構細かいし、所感も書かないといけないやん…がんばろ」
自分もジョンもネットゲームのおかげでタイピングが早く、さくさく日報を作り上げていた、これなら時間内に終わる!そう思っていたその時です
山中「なんで終わってねぇんだ!!!!!おい!!!!!!!」
原口「いやぁ、あのぉ…」
山中「なんだ!!!新人が悪いのか!!!!てめぇの仕事が遅いからだろ!!!!」
山中「リカバリープラン考えろよ!!!!!!あと対策と原因を今日中に書いて提出しろ!!!!!」
原口「はい…わかりました」
山中「文句あるのか?言ってみろよ」
原口「イヤ...シンジンキョウイク…」
山中「ハァ!???新人教育は業務時間に入るわけないだろうが!!!てめぇなに言い訳してんだ!!」
山中「もう定時なんだからさ!!!!定時にそんな報告しにくんなよ!!!おまえどんな進捗管理してんだよ!!!!」
山中「終わるまで帰るんじゃねぇぞ!わかったな!!!!!!」
原口「はい、スミマセン、スミマセン」
…
前言撤回。
ここはブラック職場だ。