今回は大人の恋愛マンガでぜひおすすめしたい作品がありましたので紹介します。
今後ドラマ化確実です。それぐらい面白いヒューマンドラマかつミステリアスな話になっています。
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~あらすじ~
自殺しようとしている男性が主人公。
自殺するぞ!と意気込むのだったが、死ぬ前に最期の晩餐として「蟹」が食べたいな、と思ったため、北海道へ食べに行くことに。
北海道へ行く資金や、ルートを調査する為図書館へ行った主人公。
そこで透き通るような清楚系文学美女とぶつかる。
その指には大きなダイヤのついた指輪を着けており、金持ちだろうと推測する。どうせ死ぬなら。。。そう思った主人公はその美女を襲う事に決める。
最初は金目当てだったのだが、美女の色気にあてられ肉体を求めてしまう。求められた美女はそれに応じるどころか、積極的に服従する。
美女に目的を聞かれた主人公は、つい、「蟹を食べたかった」と目的を教えたところ、
なぜか美女は乗り気で、人質となり主人公と共に行くことを選ぶ。
そして2人で北海道へ蟹を食べにいくのだが、なぜ主人公は死にたがるのか、美女は何者なのか、なぜついていってしまったのか、そんな謎が少しずつ解かれていく。
~第1話 冒頭~
主人公が自殺をしようとするシーンから始まる。
この時点で、なぜ死にたいのか?と思う前に、あ、この人自殺したいんだな、と物語の中に引き込まれていく。まず1コマ目の両手に縄を持っている時点で、主人公の、世の中に対する絶望が伝わって来る。そして主人公は、強がりながらもそんな度胸のないどうしようもない人間だという事を表現している。
死ぬ勇気が出なかった主人公は、テレビに流れていた蟹を食べるという目的を作り出し、自殺を先送りにする。後悔せずに死ぬ為に北海道で蟹を食べようとする主人公だが、電気・ガスが止まっているため、図書館のパソコンで北海道で蟹を食べるための資金を調べる事に。
どうせ死ぬなら消費者金融で借りればいいのに、それも出来ない主人公の小心者さ、そして頭の悪さと、人に迷惑かけない人の良さを表している。
~第1話 出会い~
そうして向かった図書館で主人公は女性にぶつかる。その女性は清楚系文学美女で、主人公の好みのドストライクだった。しかしその美女は大きいダイヤの指輪をしており、金持ちの人妻であることを知る。
金持ちで容姿も整っている美女を羨み、妬み、境遇の差に嘆き、打ちひしがれて、劣等感に苛まれる主人公。
~第1話 犯罪~
魔が差した主人公は、人妻の家まで後を追いかける。落とし物を拾ったかのように見せ、無理やり玄関に押し込み襲い掛かってしまう。
負の感情が爆発した人間が、つい犯罪を犯してしまう姿が生々しい。犯罪をしようとした最後のきっかけが人への妬み、嫉み、羨みなのも、心の弱い人間を如実に表現している。
普通だったら必死で抵抗するはずだが、なぜか従順で、積極的に身体を差し出す人妻。ダイヤを奪うだけのつもりだったのに、気づけば身体の関係を持つ事になる。
その時々の欲求に従い、どうせ死ぬからと自分に言い訳しながら、犯罪を積み重ねていく様は、哀れな姿だった。
家に押し入り、脅し、金品を盗み、身体を蹂躙するはずの主人公なのだが、気づけば主導権は人妻に握られていた。困惑する主人公に人妻は、「幻想ですよ、三十路の女に貞操観念なんて…」と言い放つ。身体を差し出した後に、さらに金品も差し出そうとする人妻に、更に困惑する主人公。
この部分は読者も正直困惑するだろう。なぜ人妻はそのような事をするのか、よくわからない、その謎が少しずつ明らかになっていくのが、この作品の醍醐味だ。
~第1話 同行~
人妻と身体の関係を持った後、なぜかコーヒーを出され、普通の客人化のようにもてなされる。その結果主人公は、目的を聞かれ、不意に話してしまう。
「北海道に蟹を苦に行こうと思って」
口走った瞬間後悔する主人公だが、その些細な願いになぜか同調する人妻。
いよいよ読者からしても人妻の考えていることが分からない。
まだ身体を差し出すシーンは、あー色々経験してきたんだな、女の怖さがわかるな、っと思ったのだが、お金を差し出し、犯罪者である主人公をもてなす姿は、旧知の仲のようだ。主人公に惚れたのか?とも考えたが、表情からしてそのような描写はされていない。
しかし、女ってこえぇえええって思わせるのに十分な描写だった。
最後のページには人妻と主人公が一緒に北海道へ向かうシーンが描かれる。
この二人は北海道へたどり着き、蟹を食べることが出来るのか?
なぜ主人公は自殺しようと思ったのか
なぜ金持ちなのか
なぜ人妻は主人公に協力的なのか
さらには主人公と人妻の関係性はどうなるのか
気になる方はぜひ購入して見て下さい。
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~感想~
大人の昼ドラにありそうな、複雑な感情の機微を楽しむ作品。
恋愛マンガといっていいのか、ミステリーといっていいのか、それともロマンスなのか、そんなジャンルがはっきりとしない所が、この作品の魅力ともいえる。
日常と非日常が織り交ざった表現で、そこに描かれる男女の関係は、まるで付き合いたての恋人のようであり、女に騙されている男のようであり、終わりかけのカップルのようにも見える。
しかし、本当の姿は自暴自棄になった犯罪者と、金持ちの人妻。
曖昧な二人の関係を明示しないまま、物語は進んでいく。
どうなるか先の読めない展開や、主人公の弱さが妙にリアルに描かれている点が、不思議と惹きつけられてしまう。
普通のマンガに飽きた、ただの恋愛マンガはつまらないと感じ始めた人は絶対に楽しめる作品です。