こじきりんブログ

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【体験談】ダイバーシティ(多様性) が嫌いな方、知ったつもりになっている方へ

 

前書き

 元々私は『ダイバーシティ』とか『多様性』と言う言葉が嫌いだった。

 

最近会社内でよく聞く言葉、『ダイバーシティ』 『多様性』。

女性の活躍、障碍者の活躍、性差別の撤廃、ジェンダーレスとか、おねぇ、ゲイなんかも最近よくメディアに出てくるようになった。ここ10年間で急激に世論が変わっていったのを肌で感じていた。

 

女性の社会進出って言う癖に、身近な女性社員は努力はしないし、LGBTQとか、ジェンダーレスとか、ゲイとか、おねぇとか、レズとか、そんなもんは性癖なんだから黙ってろよと。

 

女性の社会進出を図る為に、上司が必至になって、女性社員が活躍できる場所を用意してあげて、その場で活躍するのに、違和感を覚えた。

自分達は頑張って、仕事を覚えて、工夫して、交渉して積み上げてきた能力があるのに、なんで女性と言うだけで道筋が整えられるんだ?特別扱いじゃないか。なにが女性の社会進出だよ、馬鹿らしい。


それにLGBTQだって?

ロリコンと何が違うんだよ。結局どんな容姿に興奮するかだろ?そんなもん尊重して何になるんだよ。そんな多様性を認めるなら、ロリコンとか、浮気癖とか、痴漢とかも認めてやれよ、多様性なんだろ?それにLGBTQを気持ち悪いって思ったっていいじゃないか、認めろっていう意見もあって、認めないって意見もあるから多様性なんだろ?

そう思っていた。

 

 

こんな価値観を一変する出来事が自分の身に起きた。

 


新入社員で、手首から先がない社員が入社してきたのだ。




そしてその社員は自分の部下になった。



ダイバーシティ

『多様性』

 

その本当の意味を、自分の肌で感じていくことになる。




 

 

 

 

0. 本記事を読む前に

0.0 単語解説

 ダイバーシティとは?

直訳すると多様性。集団において年齢、性別、学歴、職歴、国籍、人種、宗教、性自認、趣味嗜好、ライフスタイルなど、多種多様な人物が所属している事を示す。

 

 

LGBTQとは?

LGBTQとは、レズビアン(女性側の同性愛者)、ゲイ(男性側の同性愛者)、バイセクシュアル(男女問わず、両性愛者)、トランスジェンダー(生まれた時の性別と自認する性別が一致しない人)、クエスチョニング(自分自身の性的志向を決められない、または決めない人)など、性的に少数な人を表す総称。

異性愛者以外を示す。

 

  

新自由主義とは?

国家による福祉・公共サービスの縮小(小さな政府、民営化)と、大幅な規制緩和市場原理主義の重 視を特徴とする経済思想。一番わかりやすいのは郵政民営化。国営だった事業を民営にすることで、利便性より市場の活性を図る考え方。ほかには携帯会社も最初はDocomoだけだったのが、今はausoftbank、最近だとUQの格安スマホ、Ymobileなど消費者が商品を選択できるようになるというのが最大のメリット。
ただし、価格競争が激化するとデフレが起こるリスク存在する。

 

 

デフレとは?

①様々な要因により消費が減る

②消費を煽る為に価格競争が生まれる

③価格競争の結果企業が安くものが売られる

④消費は戻るが利益が出なくなる

⑤従業員への給料が減る

⑥従業員の消費が減る

 

このようにモノに対して、貨幣の価値が上がっていく状態を指します。

少ないお金でモノが買えるので、貨幣の価値が上がります。

①~⑥をループして、ずーっと消費が落ち込み続ける事をデフレスパイラルと言います。

 

 

 

0.1 自分の所属する会社、組織

 

従業員数1万人以上の大企業

男女比は約10:1 と多くが男性社員

部署は立ち上がって10年未満と比較的若い部署

高卒も大卒も入り混じった職場で業務を担当している

 

詳しく知りたければこちらへ

www.kojikirin.com

 

 

 

 

0.2 社員紹介

金子課長・・・仕事の出来る方、基本的に優しい。武勇伝が多い。

       忙しい時ほど嬉しそう。褒めるとよく働いてくれる。

       女性には特に優しく、貢ぎ癖がある。

       サラリーマン気質。

 

桜子さん・・・実務は苦手、GMから役員まで顔が広い。

       褒めると喜ぶ。若作りを頑張っている。

       何か嫌な事があると周りに言いふらし敵として扱う。

       こじきりんの元上司。係長の下。

 

 

こじきりん(私)・・・なんでも仕事を投げられる。何でも屋さん。

           一部から絶大に嫌われている。特に同期。辛い。

              部下と仕事の出来る先輩には優しい。

              仕事のできない人には厳しくあたる。

              めんどくさい奴とも思われている。現場作業員。

 

 

麻生さん・・・中途採用で入社。左手首から下がない。

       海外で暮らしていた経験あり。

       シェフの経験あり。アルゼンチン生まれ。

       桜子さん、こじきりんの部下。

 

 

神木くん・・・若手社員。いじられキャラ

       よくミスをしたり、上司から怒られる。

       色々やらかすのに、なんだか憎めないやつ。

          桜子さん、こじきりんの部下。

 

 

 

1. 始まり

 

 

1.1 私の過去

前述 に書いたように私は『ダイバーシティ』、『多様性』と言う言葉が嫌いだった。

 


なぜならこの世界は明確な上下があると考えていたからだ。

容姿、収入、学歴、配偶者、能力、全てにおいて比較され、秀でる者が正しく、意見や権利を主張する資格があるのだ、と。

 

だから世間での『普通』をこなせない人に権利は生まれないと思っていた。

 

会社内の業務を『普通』にこなせない人は無能だと考えていた。

 

 

 

私は新入社員として入社してから2年間、クズだ、使えない、無能だ、ポンコツだ、そうやって周囲の人たちから言われてきた。

 

仕事の仕方を聞いても教えてくれない、聞くとなぜわからないんだと怒られる、言わないと重箱の隅を突くように粗探しを始める、1つのミスを全体の前で笑われる、説教は毎日1時間、定時で帰ろうとすると「お前は暇でいいなぁ」、そんな係長の下でずっと働いてきた。


何も教えられていないんだから、出来るわけがない。聞いても返って来ないんだから。



 

耐えられなくなって、元課長に相談した。

 

辛いです。

 

そう言った私に元課長はこう言った。

 

会社は学校じゃないんだから当たり前。

私たち上司は君の先生や親じゃない。

 

言い方は厳しいけど、 係長の言っている事はあっている。

 

要約するとこうだった。

 

 

あぁ、無能には意見をする事さえも許されないんだ。

全て自分が悪いんだ。

出来ない自分が悪いんだ。


だから『多様性』なんて認めちゃダメなんだ。

 


今の自分を認めてはダメなんだ。


教えてもらおうとするな、調べろ、仕事に尽くせ、考えろ。

 

他人に期待するな、だれも自分を助けない、無能になるな。

見下されるな、見下せ、勝て、知識で勝て、発想で勝て、気持ちで勝て。

 

 

こうして5年間必死になって仕事をしてきた。

 

 

気付けば職場でエース級と呼ばれるようになっていた。

 

 

その分同僚からは嫌われていった。

 

 

 

1.2 きっかけ

私が多様性について考えるきっかけになったのは、麻生さんの入社と、神木くんとの出会いだった。

 

今まで自分が教育してきて、考え方を伝授してきた部下たちは、10人程度いた。
過去教えてきた部下たちは、とても素直で、学習能力が高く、言われた事はきっちりこなしてくれていた。

だから私は教育が上手なんだ、そう思っていた。

 

その矢先に、神木くんが部下になった。

 

いままで優秀な部下を育ててきた実績があった私は、なんとかなるだろうと、余裕綽々だった。


しかし、自分の見積もりは甘かった。

 

神木君は昔の私みたいに『無能』だった。

 

 



神木君の教育をしている最中、中途採用で麻生さんが入社してきた。そして自分のチームに配属された。



麻生さんには左手がなかった。


自分の人生で初めて会うタイプの障碍者だった。


『無能』の神木君、『障碍者』の麻生さん。

 

 

この2人との出会いが、私を変えていった。

 

 

 

 

2. 多様性を持つ人達

 

2.1 神木くん

 

まずは 私が『無能』と表現した神木くんの話をしよう。

 

彼は自分の部下となった時、本当に『無能』だった。

 

箇条書きで彼の仕事ぶりをご覧頂こう。

 

 

 

・出社、退勤のタイムカード打刻を何度も忘れる

・寝坊する

売店で30分~1時間サボる

・仕事中にトイレでインスタを投稿する

・確認をしない

・期限を守らない

・仕事が終わった報告が出来ない

・毎日2時間ぐらい雑談

・言われた事をやらない、無視する

 

 

 

ざっと思いつくところでこんな感じだ。

 

彼は仕事が出来る出来ないではなく、人としての部分が欠けていた。


学校で学ぶはずの集団行動や、ルールを守る事、指示に対して愚直に実行する事、期日内に提出する事が出来ない人間だった。

 


周囲から 『無能』『常識がない』『頭が悪い』 そう言われていた。

 

 

自分の周りの上司は、そんな彼への教育を投げ出して、諦めて、『無能』というレッテルを張りつけて、彼を見下していた。



 

 

 

 

 

 

2.2 麻生さん 

次に『障碍者』の麻生さんのお話をしよう。

 

彼と話したところ、左手は先天性ではなく、過去の仕事をしていた時に、労働災害で欠損してしまったようだ。

 

その慰謝料で、海外でホームステイをしたり、専門学校で勉強したり、料理人になってみたり、色々な人生経験を積んできたようだ。


話を聞いている限り、片手が使えないだけで、あとは健常者と変わらないんだな、人生経験も豊富そうだからこの人は優秀そうだなぁ、なんて気楽に考えていた。

 

しかし、少しずつ雲行きが怪しくなっていった。

 

こちらも箇条書きで表現しよう

 

・業務中に寝る

・何度も同じミスをする

・言われた事が出来ない、出来たつもりになっている

・理解したつもりで仕事を進めてしまう

・作業途中に確認をしない

・納期を守れない、相談がない

・ミスに対して反省しない、言い訳をする

 

 

 

麻生さんは、単純作業が苦手だった。

 

何度同じ作業をしても、単純な確認不足で何度もミスをしていた。

 

そして会議中に寝てしまうのだ。

 

他にも教えてもらった事を独自の理解で実施していたり、指示された事が全然理解したつもりで自信満々に承諾したり、多種多様なミスを発生させていた。

 

 

神木君と変わらないポテンシャルを秘めていた。

 

この二人を教育していかなければならないのか……


少しだけ、暗い感情が心の奥底から湧き出てくるのを感じた。


 

 

2.3 桜子さん 

最後に自分の上司になった桜子さんの話をしよう。

 

初めての女性上司、恐ろしい人だった。

 

基本的に実務を覚える気はなく、仕事の進め方も気分だった。
私はこれが好きだから、これをやる、といった具合だ。

 

もちろん、こじきりんくんは協力してね。

こんなスタンスだった。

 

 

・上司は基本何もしなくていいと思っている

・部下が何をしたいか提案してほしい

・判断基準は、こじきりんくんか、金子課長が決めてほしい

・業務内容も、こじきりんくんか、金子課長が決めてほしい

 ・悪口は許さない、周りの人に言いふらす

・改善なんてしない、それは悪口、私は悪くない

・何かあったらすぐに係長、課長、次長

・私は努力している、認めない周りが悪い

 

 

一言で表現するならお局さんと言ったところだろうか。

実務スキルは殆どなく、リーダーシップも発揮できないが、長く会社にいるだけあって上司達(係長以上)と非常に仲が良いだけの上司だ。

プライドが高く、自分が出来ていない事を客観視出来ない。

私からみて業務しづらい点があった為、係長経由で改善してもらおうと思ったところ、どこからか犯人捜しを行い、自分に対してブチ切れるという、謎行動を行うほどだった。

それも急に呼び出して、係長、課長の前で、私に悪口言ってるの知ってるんだからね、と自分があたかも悪者で、敵。と言わんばかりの口調でまくし立ててくるほどだった。


具体的に係長には、メールが見辛い(要約が一切ない)、上司として判断を一切しない、全てこじきりん任せ、になっている事に対して、部下に説明がつかないから、ちゃんとしてほしいとの内容を相談していた。

 

桜子さんのプライドを傷つけない為にも、上司からやんわり言ってもらいたいという事も係長には伝えていたのに、なぜか喧嘩腰だった。


推測だが、途中までしか話を聞いていない誰かが、桜子さんに、あいつが悪口言ってた、と聞いたのだろう。

 


そんなに怒るなら、文句言われないくらい完璧にすればいいのに……そう思いながらも、機嫌を取る為、桜子さんを褒めながら、関係修復を図っていった。

最終的には何とか落ち着かせることが出来たのだが、一度機嫌が悪くなると、長い事不機嫌なので非常に気を使った。


実務スキルから考えると、自分より役職が上になるはずがないのだが、会社の方針としても女性上司をどんどん作っていきたいという風潮から、ダイバーシティの考えに基づき、金子課長が自分の上司に認定したのだった。

 

 

 

 

 

3. 理解

人間とは面白いもので、生まれ持った環境、周りの人達、素質、思考回路、発言力、身にまとう雰囲気等々、人を構成する要素がある。人によって、それらの組み合わせや特徴は、バラバラである。それを『人間性』と言うのだろう。

 

 

彼らの『人間性』を間近で見た時、いままでの成功体験では上手くいかないだろうな、私はそう感じた。

 

しかしその解決策が全く思いつかない。

 

どうすればいいのだろう、どう考えたら自分は納得できる?自分は相手に対してイラつきを覚えなくなる?


そんな時にふと考えた。

 

 


「昔の自分はどうだった?」

 

 

 

昔、私はポンコツ、無能、使えないと呼ばれていた。

自分はなぜここまで、仕事が出来ると言われるようになったんだ?



無能と言われて、ナニクソっとなったか?

 

いや違う、人に嫌われたり見下されるのが怖かったからだ。

 

ほんとにそれだけか?

 

いや違う、それだけなら自分が耐えられるはずがない。

 

誰かに助けてもらった?

 

そうだ。私には周りに助けてくれる人がいた。

 

自分の価値、能力を認めてくれる人がいた。

 

そして自分の苦手な部分を補ってくれる人がいた。

 

自分はそれを尊敬する先輩から与えられていた。

 

職場での居場所、自信、補佐。


 

次はそれを周りの人たちに返す番なのか、そう理解した時自分がやるべきことが見えてきた。

 

 


まずは彼らを知る必要がある。

 

 

 

 

 

 

3.1 神木くんの特徴

 

 

一緒に過ごす中で少しずつ彼らの特徴がつかめてきた。

まずは神木君。

 

業務を行うにあたって、良い点、悪い点を箇条書きでまとめてみる。

 

<良い点>

・モチベーションが高い

・自分の考えを話せる

・自分の価値観を持っている

・実務に対する責任感が強い

・分からない事を分からないと言える

・人に好かれる雰囲気がある、憎めないやつ

 

 

 

<悪い点>

・説明がわかりづらい

・実務以外の普通の事が苦手(打刻忘れ、寝坊、IDカード紛失)

・彼の価値観で不必要と判断した場合、忘れてしまう

・単純なミスが多い

・自分はダメな人間と思い込んでいる

・複数の事が同時に起きた場合、何もできなくなる

・納期内に終わりそうにない事の報告が出来ない

 

 

そして彼に話を聞くと、昔から親や教師に「お前はダメなやつだ」、「なんでお前はそんなに出来が悪いんだ」、「またお前か」と人間性を否定される言葉を投げかけ続けられていたようだ。

 

会社でも自分の直属の部下になったタイミングで、周囲の先輩社員から「ダメな奴」「頭が悪い」「そんなのも出来ないのか」そう言われていたようだった。

 

内心では気にしていたようだが、彼はそれを表に出さずに、笑顔で「すみませ~ん、助けて下さ~い」とコミュニケーションを取っていた。彼がどれだけミスをしても周りの人に好かれる理由が垣間見えた。

 

 

彼は実務に対しては真摯に働いていたが、普通の人が普通にこなせることが出来なかった。

 

毎日打刻をする、寝坊をしない、忘れ物をしない、など学生でもみんなが出来るようなことが、彼は苦手だった。

 

そしてミスをする度、彼の仲のいい先輩、直属の上司は、『またお前やったのか!!』と笑顔で彼を馬鹿にしていた。

 

それでも彼の周りは笑顔だった。

彼はやはり人から好かれる  何か  を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

3.2 麻生さんの特徴

麻生さんは非常に難しい人だった。

外面がいいタイプなのだろう。内面を理解するのに少し時間がかかった。

 

 

<良い点>

・新しい事に挑戦する事へのモチベーションが高い

・資料の作成能力が高い(見やすい、丁寧)

・英会話の能力が高い

・怒ることが滅多になく穏やか

・提案や改善案が思いつく

 

 

 

<悪い点>

・言われた事を言われた通りに出来ない

・勘違いが多い

・仕事中に寝てしまう

・納期内に終わらすが、間違っていることが多い

・理解していないのに理解したと言ってしまう

・1つ上手くいかないと、連鎖的にミスを起こしてしまう

・ミスをしたことに対して反省していない態度をとる